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PROJECTS:05 トランスフォーメーション

ahamoの立ち上げに尽力したデジタルネイティブ専門チーム「YNGpot.™」とは?

  • ビジネストランスフォーメーション部門
    サービスマーケティング事業部
    佐々木駿
  • ビジネストランスフォーメーション部門
    サービスマーケティング事業部
    大路麻貴
  • アドバンストクリエイティブセンター
    第2事業部
    山本貴宏
※所属・役職は2021年6月時点のものです。

現在の10~20代は、インターネットやPC、スマートフォンなどが普通に生活の中にある環境で育ったことから、「デジタルネイティブ世代」と呼ばれています。

YNGpot.(ヤングポット)」は、「デジタルネイティブ世代」を対象としたマーケティングを行う専門チームとして、2019年に発足しました。デジタルネイティブをターゲットにしたサービスや施策の開発が、若者研究に留まることなく、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)や次世代顧客への対応になることを理念に活動しています[注1]

このチームのメンバーは、全員がデジタルネイティブ世代。

電通デジタル社内のさまざまな部署から、プランナー、データサイエンティスト、コンサルタント、UI/UXデザイナー、クリエーター、コピーライターが集結しています。

YNGpot.はこれまでに、デジタルネイティブ世代のインサイト(潜在的な欲求や感情)や行動の調査・分析のほか、大手企業の新規事業開発、サービス開発支援などを行ってきました。そのひとつが、NTTドコモの新料金プラン「ahamo(アハモ)」です。

本記事では、ahamoの立ち上げに携わったメンバー3人に、YNGpot.が担った役割、行った仕事内容を聞きました。

若いメンバーが自然体で力を発揮できるチーム

YNGpot.のメンバーは、全員がデジタルネイティブ世代なんですね。

佐々木

はい。ターゲットと同じ世代だから、ターゲットの心理が理解でき、ズバッと刺さる提案ができる。それがYNGpot.の売りです。若いメンバーが自然体で力を発揮できるチームになるように意識しています。

YNGpot.のメンバーはそれぞれ、社内の部署にも属して仕事をしている、いわばダブルワーク。社内から希望者をつのったり、私から声をかけたりしながら、メンバーを揃えていて、現在30人が在籍しています(2021年5月時点)。

YNGpot.はどのような経緯理由で発足したのですか?

佐々木

2017、18年頃に、電通デジタルのコンサルティング業務領域においても「若者離れ」を課題に感じているクライアント企業が多いという状況を、さまざまな部門で認識していました。

それを受けて、私が数人の同僚と若年層攻略をテーマにした提案活動をしたり、クライアント企業とディスカッションをしたりする中で、ビジネスとして成り立つ手応えを感じ、2019年、社内横断組織として発足させました。

2020年はahamoの立ち上げプロジェクトに関わったそうですね。

佐々木

はい。ahamoは、20代を中心とするデジタルネイティブ世代をターゲットにして、2021年3月から提供されているNTTドコモの新料金プランです。そのサービスの立ち上げに、電通のチームと一緒に携わりました。

YNGpot.から参加したメンバーは、今回同席している大路さん、山本さんのほか、電通に帰任した1人の4人です。

佐々木駿

2015年電通に入社し、2016年から電通デジタルへ出向。YNGpot.では、2019年の設立時からリーダーを務めている。若年層対応の事業開発、プロジェクトのプロデュース、コンサルティング、コミュニケーション設計に携わるコンサルタントとして、チームを牽引している。

ユーザーの声を分析し、若者向けのシンプルなプランを提案

ahamoの立ち上げに参画することになったいきさつは?

佐々木

NTTドコモでは、以前から、若年層向け料金プランを作る動きがあり、協力してほしいというお話がありました。2020年6月に、最終的に電通グループで受注し、電通デジタルからは、CX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)を専門とするメンバーとYNGpot.が参加することになった、というかたちです。

YNGpot.はどのような役割を担ったのでしょうか?

佐々木

ahamoがコアターゲットとして真ん中に見据えている世代は、新社会人を中心とした、家族契約から個人の契約に切り替える人で、年齢でいうと22~24歳です。

まず、現状のデジタルネイティブ世代の行動様式や心理模様を共有したうえで、どのようなブランドを目指すか、理想的な姿を徹底的に話し合いました。

ターゲットの特徴である「情報の非対称性を嫌う点」や「複雑なプロセスはすぐに検討から外れてしまう点」などを意識しながら、「従来の契約プロセスの煩雑さがもたらすストレスからユーザーを解放するために、シンプルさを貫く」ということを、初期の段階から大事にしていったのです。

それから2ヵ月ほどかけて、いろいろなアイデアを出して、整理して、ブランドのコンセプトの土台を作りました。実際、ahamoの料金プランはひとつだけです。

その後は、ブランドの名称、UI/UXの設計、クリエイティブ(広告などの制作物)をどのような表現にするかなどを検討しました。この段階から、電通のクリエイティブチームにも入ってもらって、最終成果物を作るところまでの橋渡しをしました。

UI/UXデザイナーというのは、どのような仕事ですか?

大路

UI/UXという言葉って、ふだんの生活では、ほとんどなじみがないですよね。

UIはユーザーインターフェースの略で、ユーザーが直接目にする情報や画面デザインのこと。

UXはユーザーエクスペリエンスの略で、ユーザーがサービスを通して得る体験(感情や感想)のことです。

今回のahamoでいうと、それまでのスマホサービスを体験としてとらえたとき、若年層はどこに不満や物足りなさ、使いにくさを感じていたのか。逆に、若年層はどういった体験を望んでいるのか。

そこから課題を洗い出して、デジタルネイティブ向けのブランドとして「ありたき体験(UX)」と、それを実現するためのUIを考える。そして、それが実際のサービスとして実現されるまでしっかりチェックし、伴走する。これが今回の案件でUI/UXデザイナーとして果たした役割です。

大路麻貴

2019年中途入社。通常業務ではBtoBのマーケティング支援、YNGpot.ではUI/UXデザイナーとして、デジタルのコミュニケーション設計構築に携わっている。

電通デジタルは「若手を前に出す」という意識が強い

デジタルマーケティングの会社は、若手を積極的に登用している印象があります。電通デジタルではどうですか?

山本

「若手を前に出そう」という意識は、かなり強くありますね。電通デジタル全体に、若手を応援、支援する社風があると感じます。

佐々木

YNGpot.では、世話人である安田裕美子・ビジネストランスフォーメーション部門長をはじめとした、経営層からの手厚いバックアップもあり、受注金額が数千万単位のプロジェクトや、誰もが知っている大手企業へのコンサルティングを行うなど、大きな仕事をたくさん手がけています。

デジタルネイティブ世代のチームにこれだけ大胆に任せてくれていることこそ、若手重視の証なんじゃないでしょうか。

大路

フレッシュさが武器になるフィールドって、大手企業対大手企業の仕事ではなかなか見つからないかもしれません。

YNGpot.に限らず、電通デジタル全体として、若手が自分の持っている感覚を活かして、意見を言いやすい環境があり、それをすぐ仕事に活かせるフィールドがあるように感じています。

わりと若い年次の意見でも、ベテランとは違う価値があるとして積極的に取り入れてくれるのは、電通デジタルの魅力のひとつと言ってもいいのではないでしょうか。

山本貴宏

2018年新卒入社。入社2年目時に発足したYNGpot.に参加。コピーライターのほか、戦略立案を行うプランナーとしても活躍している。

若手でも大手企業の社長や経営層に直接プレゼンできる

YNGpot.では、仕事のどういった部分にやりがいを感じますか?

大路

「ユーザーにとって良いサービスを作る」という目的に対して、妥協せずにやりきったときの達成感が、やっぱり大きいです。これはYNGpot.に限らず、通常の業務でも同じです。だから、ユーザーから良い反響があったときは特に嬉しいですね。

クライアント企業にもいろいろな事情があり、つねにユーザーが100%満足するようなサービスを作れるわけではありません。

ただ、長期的に見れば、ユーザーの満足は、クライアント企業のビジネス成果に結びつくことが多い。だからこそ、われわれは可能なかぎりユーザーに寄り添っていくべきだと思っています。

山本

ふだんの業務では、自分よりも上の世代へ訴求する商品を担当することが多いんです。YNGpot.では、同世代へ向けた商品やサービスを担当できる。自分の生活者としての意思や感覚を活かして、プランニングやコピーに反映できるところに、やりがいを感じます。

仕事全般で言うと、成果物が世に出て、反応がすぐに目に見えるところ。それがプラスでもマイナスでも、反応があるという点にはやりがいがありますね。

また、私はチームで何かを成し遂げるという働き方もけっこう好きなので、競合コンペ(複数の会社で案を競い合い、もっとも優れた1社が受注先として選ばれる方法)で勝利したときの喜びは、何度経験しても嬉しいです。ちょっとスポ根的なんですけど(笑)。

佐々木

要件定義や計画立案といった上流工程を担う部署にいることもあって、普通に仕事をしていては絶対に会えない経営層の方々と直接お話しできるところですね。

YNGpot.でも、クライアント企業の本部長クラスや執行役員の方とプロジェクトをご一緒する機会が何度もありました。そういった経験が若いうちから積めたのは、本当にありがたいことです。

YNGpot.で、ユニクロの案件を受注した際、社長上申のプロセスがあり、柳井正・代表取締役会長兼社長にプレゼンする機会をいただいたことがあります。あれ以上にひりつくような緊張感を味わった経験は今後もないんじゃないかと今でも思います。

若さは言い訳にならない。自分から積極的に前へ

今後の展望、挑戦したいことは何ですか?

大路

これまでYNGpot.では、調査やヒアリング、ワークショップを通して、若者の生活や価値観に向き合ってきました。そのリアルな声を活かしたサービスを自社で企画、ローンチしてみたいです。

山本

同じく、アプリでも、オンラインサービスでも、オフラインサービスでもいいんですが、とにかく若者向けサービスを出してみたいです。

たとえば、今人気のアプリであるClubhouseやDispo(写真に特化した招待制SNS)。核となっているアイデア自体はシンプルですよね。YNGpot.の発想力と電通デジタルのシステム開発力があればできるんじゃないかと思っているんです。

ひとつ名刺になるようなプロダクトを出すことで、YNGpot.は何ができるのか、何を得意にしているのかを広くアピールしたいですね。

佐々木

せっかく電通デジタルの全領域からメンバーが集まっているので、YNGpot.で企画から開発までトータルでやり切って、アウトプットを世に出すということは、ぜひやりたい。

これがやり遂げられればメンバーの自信にもなりますし、社外に向けては、デジタルネイティブの発想を活かしたサービスをトータルでコンサルティングできるアピールにもなる。電通デジタルの優れているポイントを知ってもらえる機会にしたいです。

最後に、電通デジタルへ応募しようと考えている大学生に向けてひと言お願いします。

佐々木

電通デジタルは、年次に関わらず、自分の意思や意見を伝えたり、自ら仕事をつくりに行ったりしやすい環境がありますし、歓迎される風土もあります。

個人的には、機会とスキルがあるのなら、失敗を恐れず、どんどんチャレンジしていいと思っています。とはいえ、通常業務の中でそれを実行するのは、まだなお難しい。電通デジタルに入社したら、ぜひYNGpot.という場をうまく使ってほしいですね。

脚注

注釈
1. ^YNGpot.の運用を強化するべく、2021年8月1日付けでビジネストランスフォーメーション部門内に「デジタルネイティブルーム」を新設。これによりYNGpot.は、ヴァーチャルチームから正式な組織となり、一部メンバーをルーム付け人員として配置しています。