2019.12.26

資生堂ジャパン 社食のLINE公式アカウントでBOT BOOSTaR™を導入

運営の効率化と利用者の満足度向上を目指す

資生堂ジャパンは2019年5月7日、汐留オフィスほか、都内6ヵ所に点在していた拠点を日本生命浜松町クレアタワーへ集約。それに合わせて、新たに社員用ダイニング「番+美(バンビ)」と、来客時も使えるカフェ「CUE(キュー)」をオープンしました。 この2つのダイニング・カフェは、社員向けのメニューやお知らせに、BOT BOOSTaR™を導入した共用LINE公式アカウントを利用しています。
なぜLINE公式アカウントを利用することになったのか。どのようにしてBOT BOOSTaR™の存在を知ったのか。導入の決め手は何だったのかなどを、ダイニングとカフェの運営を担当している株式会社資生堂 ファシリティマネジメント部 オフィスコンシェルジェグループ 近藤真理子氏に伺いました。 電通デジタルからは、BOT BOOSTaR™開発担当・星野大吾と、LINEグループ資生堂担当・石川脩人が同席しました。

※所属・役職は記事公開当時のものです。

株式会社資生堂
ファシリティマネジメント部 オフィスコンシェルジェグループ

近藤 真理子

デジタルコマース事業部
CXデザイングループ
ソフトウェアエンジニア

星野 大吾

プラットフォーム4部
LINEグループ

石川 脩人

社員向けダイニング、来客時も使えるカフェ

──いわゆる社食が2つあるのはめずらしいですね

近藤 : 資生堂ジャパンは移転を機にABW(Activity-based working)を導入しました。「番+美」「CUE」共にABWのワークシーンがもっとも詰まった場所です。

23階の「番+美」はどちらかというと家庭的で、アットホームな感じのダイニング。9階の「CUE」は社外のお客様も使えて、落ち着いた雰囲気のカフェというように、全然違うコンセプト設計のもと作りました。

運営はコーヒーショップを経営している会社にお願いしていて、営業時間は8:30から18:00まで。夜はイベントやパーティーがあるときだけ対応しています。

23階のダイニング「番+美」

──社食(カフェとダイニング)のご担当はいつから?

近藤 : 2019年1月に、ファシリティマネジメント部(旧:総務部)に異動してきてからです。それまでは資生堂のヘアメイクアップアーティストのプロデュースなどをしていたのですが、総務畑じゃない人の方がおもしろいんじゃないか、ということで呼ばれて、自分でもびっくりしましたね。

──メニューがどれも美味しそうですね

近藤 : とくに人気なのは「番+美プレート(おばんざいビュッフェ)」で、「デパ地下のデリみたい!」「本格的で美味しい!」ととても好評です。

星野 : ハンバーガーのバンズひとつとっても高級です。

石川 : 私はハンバーガーに目がないのですが、肉はもちろん、バンズの味が全然違う。すごく美味しいんです。

近藤 : そうなんですよ。すごく気合いが入ったバンズなんです。それに気づいていただいて嬉しかったです。

資生堂 近藤真理子様

美とわくわくを提供したい

──カフェとダイニングを運営する上での目的、目標は?

近藤 : コンセプトは初めから「社員に美とわくわくを提供する」と決めていました。「番+美」の「番」の字には「お番菜」「お番茶」「番傘」など、お客様向けではない、日常使いという意味があります。これに、つねに私たちが考えている「美」をプラスして、「番+美」になりました。

──数値目標はありますか?

近藤 : お昼時は満席になる日も多いのですが、もう少し欲張って、できれば2回転ぐらいを目指したいですね(笑)


電通の社食で見て「どこに頼んだらできるんですか?」

──BOT BOOSTaR™の存在はどこで知ったのですか?

近藤 : オープンするにあたって、日々のメニューや情報をどのように利用者に知らせればいいか、どうやってファンづくりをしていくか、悩んでいました。そんなとき、運営の参考にと電通の社食を見せていただきました。そこでメニューの閲覧やお知らせにLINEを使っているのを見たんです。

「LINEでメニューをお知らせしているんですよ」
「えー、すごーい!」
「うちでもできるのかなー」
「どこに頼んだらできるんですか?」

と案内していただいた方に聞いて、すぐ連絡してもらいました。

星野 : びっくりしました。2019年1月に電通の社食に導入してから、まだそんなに時間がたっていないときに見つけていただいて。こんなに早く案件化するんだと驚きつつも、そういうニーズがあるんだと再認識しました。現在は、いろんな会社の社食に横展開していく動きも出てきていて、すでに他企業の方々の社食からもお声がけいただいています。

電通デジタル 星野大吾

LINE公式アカウントが少額から利用可能に

──BOT BOOSTaR™はLINE公式アカウントがないと使えないんですよね?

星野 : はい。LINE公式アカウントを「リッチに」するツールです。

──LINE公式アカウントをとるのはものすごくお金がかかったのでは?

石川 : じつはちょうど、2019年春からLINE社自体が戦略を変えて、すごく小さい金額から公式アカウントを始められるようになりました。2018年12月に、LINEの法人向けサービス「LINE Biz-Solutions」におけるサービスリニューアル「リデザイン」が本格始動し、新料金プランでは、「LINE公式アカウント」の利用が月額0円から利用可能になったんです。

近藤 : 本当なんですか?って何度も聞きましたよね(笑)。以前所属していた部門で、美容情報をLINEで発信したいからLINE公式アカウントをとりたいという話が出たのですが、当時はすごい金額で、とても始められなかったので。

石川 : それまでは、月額250万円~ということで、おもに大企業向け、友だちを何10万人、何100万人集めて全配信をするというのが普通のLINE公式アカウントの活用方法でした。

それが、ユーザーと1to1でコミュニケーションを取っていくなど、双方向のインタラクションを持つという使い方も、LINEの Messaging APIに対応したBOT BOOSTaR™のようなツールの活用により、可能になりました。

数百人単位のミニマムなスタートもできますし、逆に100万人を趣味や属性でいくつかのグループにセグメントした上で配信メッセージを出し分けることも、BOT BOOSTaR™によって簡単にできるようになります。

電通デジタル 石川脩人

──LINE公式アカウントの開設とBOT BOOSTaR™の導入はすぐに決めたんですか?

近藤 : すぐ決めました。即決でしたね。

──そもそもBOT BOOSTaR™はどういう狙いでローンチされたのでしょうか?

星野 : 世の中にLINEツールはすでにたくさん存在します。ただ、LINEがどんどん進化していることで出てきている課題、たとえばLINEの最新機能に対応できなかったり、広告会社と開発会社が別になっていて、PDCAがすばやく回せなかったり。BOT BOOSTaR™はそれらの課題を簡単に、クイックに解決できるツールということを考えてローンチしました。

──今回の資生堂社食(カフェとダイニング)アカウントへの実装にはどれぐらいの時間がかかりましたか?

星野 : 開発期間は約1ヵ月。当初6月だったオープンが8月に延びて、少し余裕が持てました。

近藤 : 5月に資生堂ジャパンの本社がこのビルに移転してきて、同時にオープンできればよかったのですが、諸事情から8月になってしまって。オープンまでの間に、外で食べるのが習慣になった人も多くて、周知するのに少し手間取りました。

──オープンと公式アカウントの存在はどのように告知したのですか?

石川 : オープンの1週間前に、LINE公式アカウントを開設して、すぐにBOT BOOSTaR™を実装し、友だちも少しずつ増やして準備をしていました。

近藤 : まずは地道に、来た人にQRコードを見せてお知らせして、友だちになってもらうことから始めました。友だち登録をしてくれた人には「先着200名にチョコレートかアイスコーヒーがもらえるクーポン」を出して、それが口コミで広がっていったという感じです。

オープンに合わせてクーポンを配布
Zoom

石川 : 先にオープンした「CUE」で「番+美」のクーポンを配りました。その効果もあって、「番+美」のオープン日には入り口に大行列ができました。皆さんLINEを使ってくれているんだなというのがわかって嬉しかったです。

近藤 : ツールを入れるだけじゃなくて集客まで、石川さんにはすごくフォローしてもらっています(笑)。


「ごはんものが欲しい」「じゃあおにぎり握る?」

──具体的にBOT BOOSTaR™で便利だなと感じた機能は?

近藤 : やっぱり、公式アカウント内から「ご意見・ご要望」の投稿が可能なところと「すぐお知らせができる」ところですね。社員からのリクエストに、うまくいけば次の日に対応ができます。

このあいだ、「ごはんものが欲しい」というリクエストが来たので、すぐに調理の方と相談して「じゃあおにぎり握る?」とメニューを作り、「リクエストに応えておにぎりを置きました」とお知らせをしました。「こんなのあったらいいね、がすぐに商品化されてすごい!」と言われました。

星野 : 一般的なツールだと発信だけで終わるところを、今回は、ユーザーからリクエストが送れる「お問い合わせ機能」を付けています。

LINE公式アカウントでメニューを見ながら、気になったことがあれば「ご意見・ご要望はこちらからどうぞ」ボタンをポンと押すと、LINEのトークで打ち込める。運営側にはリアルタイムでLINE通知が届き、同時にGoogle スプレッドシートにも出力されます。

近藤 : そう! 届いたリクエストが一覧になって出てくるんです!

──ふだん使っているアプリで見られるのが良いですね。

星野 : なるべく独自規格を作るのは減らそうというのが開発段階からのコンセプトでした。問い合わせの集計はGoogle スプレッドシート、分析はGoogle アナリティクス、LINEメッセージの作成はLINE Bot Designer、等々。なるべくいつも使っている汎用的なツールを組み合わせて、使いやすいツールにすることを目指しました。

──利用者の評判はどうですか?

近藤 : 「新しい!」という感想をすごく多くもらいました。「LINEで告知が来るなんて今どきだよね」というのもよく言われましたね。

星野 : 新しい顧客体験を作るということで、設計も新しさにこだわりました。メニューを見せる画面にタブを使うなど、LINEで、しかも操作性も過去に事例がないようなやり方で設計して、使ってもらえるのかは心配ではありましたが、スムーズに受け入れていただいているようでホッとしました。

近藤 : 1つの公式アカウントの中に2つのお店がある。それぞれ時間帯によってメニューが異なる。食べ物のジャンルも複数ある。それらをわかりやすく表現してもらうのにけっこうがんばっていただきました。

星野 : 複雑な情報をどう整理をしてコンパクトに、シンプルに、わかりやすく表現するか。そこは腕の見せ所だったかなと思っています。

店舗・時間ごとに切り替えが可能
Zoom

これからやってみたいこと

──電通デジタル、LINEチーム、BOT BOOSTaR™に対して、希望や要望はありますか?

近藤 : わからないことはすぐ、なんでも石川さんに聞いてしまっているんですが、快く答えていただいています。すごく助かっています。丁寧に作ったマニュアルもいただいているんですけど......ほとんど直接聞いています(笑)。

いまは代金をIDカードで支払えるのですが、「LINE Payでも払えるようになるといいですね」と言われたこともあります。あと、ポイントカード、イベントの参加申し込みと受け付け、将来的にはお弁当の予約、パーティーやランチの予約などもできるようになると嬉しいです。

星野 : ポイントカードやイベントの申し込みと受け付けはもうできるので、ぜひ使ってみてください。

近藤 : ええ、先ほど聞いてできるんだと知りました。次はLINEでやってみたいなと思います。

星野 : 今回は開発から導入まで、電通デジタルで担当しましたが、たとえばチャットボットの開発であれば、企業の皆さま自身でやっていただくこともできます。

しかもチャットボットの開発は、管理画面ではなく、LINEチャットで対話するような形式で進めることができます。ツール側からの質問に答えていくと、結果的にボットができるので、マニュアルが要らない。

さまざまな用途に使えて敷居が低い、ユニークなツールになっていますので、もっといろんなところで使っていただければ嬉しいですね。

9階のカフェ「CUE」

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