2021.03.09

ECプラットフォーム運営の人手不足、ノウハウ不足を解決するには?

電通デジタルがECプラットフォームの分析ソリューション「コマースデュアルファネルビジュアライザー」を提供開始

コロナ禍の影響もあり、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピング(PayPayモール)といったECプラットフォームへ出店する企業が増えています。

ECプラットフォームは、使えるデータや機能が多種多様である一方で、多くの企業はそれらを有効に使いこなせていません。人的リソース不足、ノウハウ不足などで分析や施策検討にまで手が回らず、売り上げ増加につなげられていないという課題を抱えています。

そうした課題を解決すべく、電通デジタルは、ECモールに特化し成果最大化を支援する分析ソリューション「コマースデュアルファネルビジュアライザー」を2020年11月から提供開始しました。

本稿では、ECプラットフォームが持つ強みと、それを最大限に活かすために必要な戦略について、コマース部門 部門長の三橋良平と、「コマースデュアルファネルビジュアライザー」の監修者であるウェブ解析士マスター・髙木真樹に聞きました。

※所属・役職は記事公開当時のものです

コマース部門
部門長

三橋 良平

コマース部門
デジタルプランナー

髙木 真樹

これからECを始めるなら、まずはECプラットフォームから

――企業がECを運営する場合、オウンドECとECプラットフォーム、どちらを優先して取り組むべきでしょうか?

三橋 オウンドECとECプラットフォームでは、強みが異なります。販売する商品と提供するサービスが一体の場合はオウンドECが理想ではありますが、「どちらか」ではなく「どちらも」、すなわち両軸での展開を視野に入れておくことが必要です。

それぞれの特徴を熟知して双方の役割を明確にし、顧客体験設計をすれば、ECプラットフォームとオウンドEC、それぞれの売り上げに相乗効果を生み出すことができるようになり、効率よく販売が行えるようになります。

髙木 どちらも併用して運用していくのが理想的ですが、ECに取り組んでいない場合、特に優先すべきはECプラットフォームです。

ECプラットフォームには、「認知・興味」「情報収集」「比較検討」「意思決定」という購買ファネルのフェーズに沿って、適切な施策を打ち出せる機能があらかじめ用意されています。商品レビューやランキングなど、ファネルの段階に応じた機能を活用することで、自社ECのみでは獲得が難しい、新しい顧客層の拡大をすることができます。

また、マス広告を展開している場合、ECプラットフォームでよくお買い物をするお客さまに対してその費用対効果を向上させるための「受け皿」として活用すれば、購買完了までスムーズに導くことも可能です。

三橋良平(電通デジタル)

ECプラットフォームの強みは「データ」「集客力」「売り場」

三橋 ECプラットフォームには、3つの強みがあります。

まずは「データ」。ECプラットフォームには会員データや閲覧データ、購買データなどの膨大なデータが蓄積されています。プラットフォームによっては、ユーザー情報にライフスタイルデータや金融データなども紐づけられており、保有されたデータを活用して販促施策を実行することができます。

次に「集客力」。ECプラットフォームは多く会員を抱えており、他のデジタルプラットフォームと同等のトラフィックがあります。それらのトラフィックは購買意向が顕在化している場合が多く、購買にまでつなげやすいのが特徴です。

そして「販促」。ECプラットフォームには、多くの販売促進の仕組みが準備されております。定期的なセールやポイント、あわせ買いによる送料無料など購入者にとって購買の後押しをする施策、レコメンドやクロスセルといった販促の仕組みを活用することができます。

とりわけ、これまでにEC運用の経験がない企業であれば、「データ」「集客力」「販促」の観点からECプラットフォームを優先し、ECに関する知見を蓄積してから自社ECを展開する方が望ましいと考えます。


ECプラットフォーム運用業務の効率化には、分析ツールの導入が必須

――企業がECプラットフォームを使う上で、直面する問題や課題、注意点は何でしょうか?

髙木 ECプラットフォームは、分析を簡易的に行える機能や、プラットフォーム独自のデータが魅力である一方で、多くの企業はそれらをほとんど使いこなせていません。

データ分析やそのデータを用いた改善施策のノウハウ不足、人材不足、EC運用業務の煩雑さなどから、精緻な検証と、そこから打ち手につなげるためのスピーディな施策実施ができていないという課題を抱えています。

そうした声に応えるべく、電通デジタルで開発・リリースした分析ソリューションが「コマースデュアルファネルビジュアライザー」です。

――「コマースデュアルファネルビジュアライザー」を使うと、どのようなことができるようになるのでしょうか?

髙木 ECプラットフォームでは、管理画面や検索結果から、以下のようなデータを取得することができます。

  • 商品,キーワード単位での分析データ
  • ECプラットフォーム内検索の順位データ
  • 商品単位のレビューデータ
  • メルマガ配信結果データ...など

これらのデータは、商品点数に比例して、データの量も膨大になり、EC担当者が人力で集計・分析して改善していくのは通常のEC業務もあるため、なかなか手が回りません。

「コマースデュアルファネルビジュアライザー」は、必要なデータを抽出し、レポートを自動で生成することができる分析ソリューションです。

また、ECプラットフォームのデータの中には、CSVやExcelでダウンロードできないデータもあります。このような有効なデータも取得し、店舗の実績として蓄積することができるのが特徴です。

さらに、ECプラットフォームに出店していない企業や量販店であっても、競合の商品露出状況やレビューを確認でき、改善施策に役立てることができます。

髙木真樹(電通デジタル)

人手不足、ノウハウ不足の企業のためのソリューション

三橋 手前味噌になりますが、これからECを始める企業、すでにECを運営している企業どちらにとっても、利便性の高いツールだと思います。

サイト改善やメルマガ発信、お客さま対応など、EC担当者は通常業務をこなすだけで手一杯。日々の業務と並行してデータ収集・分析を行うのは、必要なことなのですが着手するには少しハードルが高いのが現状です。

「コマースデュアルファネルビジュアライザー」は、このようなEC担当者の悩みを解決すべく、開発しました。EC担当者がデータ収集や分析に割く時間を削減し、販売促進・売上増加に直結するような業務に専念していただくことが可能になります。

各ECプラットフォームのデータ分析や改善におけるノウハウを蓄積できていないEC担当者も、使いこなすことでデータに基づいた精緻な検証ができるようになり、施策に根拠を持たせることが可能になると思います。

――「コマースデュアルファネルビジュアライザー」が対応しているECプラットフォームを教えてください。

髙木 第1弾として、楽天市場とYahoo!ショッピング(PayPayモール)に対応しています。今後は、

  • 他のECプラットフォームの分析
  • Shopifyに特化したオウンドECサイトの分析アプリ
  • 複数のECプラットフォームの分析数値を1つのアカウントで可視化する管理ツール
  • Google アナリティクスのデータを柔軟にレポート利用する分析ツール
  • AIを活用したECの基礎診断サービス

など、公開されているAPIを活用したアプリケーション開発を進め、さまざまな分野でデータ活用できるような仕組みを作ります。

最終的にこれらのアプリケーション同士を連携させて、各分野に特化した分析を実現する予定です。複数のECプラットフォーム分析を通して企業の商品に合わせた販売戦略を立案できるよう、引き続きツール開発を進めてまいります。


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