2022.04.28

「チーム起因の事故ゼロ&遅延ゼロ達成。それがPMとしてのモチベーション」ベストプレーヤー賞・井村友美さん

2022年1月、電通デジタル初の社内個人表彰「DD BEST AWARD 2021」の受賞者が発表されました。本記事では、大規模案件での円滑なプロジェクトマネジメントなどが評価されてベストプレーヤー賞を受賞した井村友美さんに、プロジェクトマネージャーという仕事の面白さや普段の心がけ、糧になった経験などを伺いました。

※所属・役職は記事公開当時のものです

株式会社電通デジタル
エクスペリエンスプロデュース部門
ビジネスリード第3事業部 第1グループ

井村友美

まず課題と進行の「見える化」から始めた

――プロジェクトマネージャー(以下PM)とは、どういう仕事をする人ですか?

まずは、プロジェクト全体の管理です。プロジェクトの課題管理、品質管理、スケジュール管理をしています。そして、案件に携わっているさまざまな職種の人たちのスケジュール調整、進行管理、課題管理も行います。案件によっては、人的リソース管理も担当します。

――今回のベストプレーヤー賞の受賞は、どのような点が評価されたと思っていますか?

やはり、規模の大きい案件を担当したことが大きいのかなと思います。中には、200人ほどステークホルダーがいるプロジェクトもあり、デジタル領域の制作全体のプロジェクトマネジメントを担当しました。本案件は大きく2領域、細分化すると10近くの領域に分かれていたのですが、各領域を担当するそれぞれのディレクターを束ね、大きな案件をミスなくしっかり回せた点を評価していただけたのではないでしょうか。

――担当した案件で苦労した点というのはありますか?

途中からアサインされて参加した大きなプロジェクトで、プロジェクトの進行が見える化されておらず、それによりスケジュールが遅延していたため、体制および進行スケジュールを立て直すのに苦労したということがありました。

――見える化は、どういう手順で行ったのですか?

アサインされた時点でBacklog(プロジェクト管理ツール)と表計算ツールで課題管理表は導入されていました。ただ、うまく使えておらず機能していなかったので、まずはその定着化から始めました。こまめに現状とツールを照合して、記入していない人がいれば声かけを行い、タスクの抜け漏れがないようにします。それと併せて、表計算ツールで課題管理表を見直しました。きちんとタスクを分解し、タスクの粒度を揃え、期限を設けることで、課題管理表の精度を上げて、案件を進める中で運用を改善していきました。

また、クライアントや電通グループ各社のメンバーを交えた全体ミーティングとは別に、電通デジタルのメンバーだけで毎朝ミーティングを行う機会を新たに設けて、プロジェクト完遂まで毎日行いました。それにより、進捗状況をかなり吸い上げられるようになりましたし、メンバー全体で現状や課題の共有がスムーズになりました。


目標は遅延ゼロ、チーム起因の事故ゼロ

――PMは縁の下の力持ち的な存在で、目に見える成果を出しづらい職種です。そうした中で、何をモチベーションに仕事をしていますか?

確かに、PMは他の業務と比較すると、これという明確な成果が見えにくい職種ではありますね。私自身は、自分が携わった案件で「遅延ゼロ、電通デジタルチーム起因の事故をゼロにする」ということを目標としていて、その達成を1つのモチベーションとしています。

――PM業務のどういった部分に面白さを感じていますか?

ちょっとしたゲーム感覚と言うと語弊があるかもしれませんが、タスク管理をしながら、これは終わった、これはまだ、と一つひとつチェックしていく中で、少しずつ前進していることが実感できる瞬間は、ちょっと面白いなと思いますね。

それに、モノを作る現場に携われているのは、とても楽しいことだと思います。何もないところから話題作りをしていくキャンペーンの作業も楽しいですし、そういった現場に関われていることも、仕事のモチベーションに影響しているかもしれません。

新卒入社のメンバーと関わる機会も増えましたが、彼らにも、この仕事の楽しさを知ってもらえるようなこともやっていきたいなと思っています。


気分よく話し合える関係性を作る

――普段の業務で心がけていることは何ですか?

PMはチームメンバーがいてこそ成り立つ仕事です。プランナーやアートディレクター、デザイナー、周りのメンバーがいいものを作ってくれるから、プロジェクトがスムーズに進められると理解しています。彼らとは気分よく話せる関係性を構築し、思うように気持ちよく仕事ができる環境を作ることは、特に心がけています。

そのためにも、彼らと話をするときは、自分のパーソナルな部分を少しオープンに出して話すようにしています。本質的にはそういうキャラではないんですが(笑)、自分が先に心を開くからこそ、相手も心を開いてくれると思うので、適度な距離感は意識しながらも、気分よく話し合える関係性を作ろうと、いつも意識しています。

――業務面でのご自身の強みはどこにあると考えていますか?

いくつかあると思いますが、1つはレスポンスが早いこと。メール、Slack、Backlog、どのようなツールであれ、連絡をもらったら1時間以内には絶対何かしらのリアクションを返します。もう1つは、必ず期日を守ることです。たいてい期日の3日前には、依頼されたことは完了させています。これは強みというか、もともとこういう性格なんだと思います。

――選考資料には、自身の考える特性として、「ビジネスにおいて悪いことは悪いと言う」とありました。これはどういうことでしょうか?

別に直言居士みたいな存在だということではありません。ミーティングで報告や提案が上がってきた際に、本当にそれはプロジェクトの完遂のためにベストなことなのか、疑問を抱いたら、相手が誰にしろ、納得できるまで「なぜ?」と聞きます。もちろん言葉は選んだ上で。

疑問を抱くということは相互理解が足りていない可能性がありますし、そこを起点に問題の根本解決を図る側面もあって、プロジェクトをスムーズに回すためにも大事なことだと思っています。ただ、人によっては、「なぜ?」としつこく聞かれると問い詰められているように感じる人もいるかもしれないので、必ずしもいい意味での特性ではないのかもしれませんが......。詰問調にならないように、口調やニュアンスには十分留意しています。


PMとしての質をもっと上げていくために

――これまでの業務で、ご自身の仕事の糧になった経験などはありますか?

電通アイソバーに在籍していた2019年の1年間だけグローバルビジネス部に所属していました。そこで一緒に仕事をした先輩の存在は、本当に大きかったです。

仕事をするなかで、ストレスを感じたことがまったくありませんでした。それは先輩が周囲に気を配りつつフォローしてくれていたからで、私もそういうふうに動きたいと強く実感しました。当時の私は、とにかくフロントに出たくないという性格でしたが、その先輩と一緒に仕事をすることで、自分がチームを引っ張っていかないといけないのだというマインドに変わりました。おかげで、今はクライアントとの交渉も、以前のような苦手意識は感じなくなりました。

――今後の目標を教えてください。

PMという仕事は私には合っているので、これからもっとPMとしての質を上げていきたいと思っています。

今はデジタルマーケティング施策のオンライン/オフラインのコミュニケーション施策を担当することが多いですが、今後は、機会があればデジタルトランスフォーメーション領域や大規模システム開発、クライアントのビジネスに大きく貢献していくプロジェクトなどでも、PMとして仕事をしてみたいです。

PMとしてもっとスキルを向上させていくには、PM以外にも武器があればいいなといつも考えているのですが、その一環として今後は、アカウント力を少し磨いていきたいとも思っています。アカウント目線を持つことで、どのようにチームを動かしていけばクライアントの負担が少なくなるのか、という意識がより鮮明になり、これまで以上にもっといい形でプロジェクトを導いていけるようになると思います。


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